こんな人たちに私たちの命、財産預けられない 無責任な本店幹部会話
「本店! 本店! 大変です! 4号機が爆発しました!」
故吉田昌郎元所長の緊迫した声が飛び込んでくる。福島第一原発事故の対応をつぶさに記録した第一級の映像記録「東電テレビ会議映像」が遂に長編映像として一般公開された。
本作品は、非営利メディアOurPlanetTVが独自編集した報道ドキュメントである。映像は、福島オフサイトセンター、東電本店、福島第一原発、福島第二原発、柏崎刈羽原発を結ぶテレビ会議の分割画面のみで構成。しかし緊迫した現場の声には、どんな映像よりも臨場感と迫力がある。
1号機が爆発。次第に3号機の原子炉水位も低くなり、刻々とメルトダウンが近づいてくる様子。本店の調達が後手後手にまわり、バッテリー、ガソリン、水、食料が不足する現場。打つ手打つ手がことごとく失敗する中、2号機、4号機にも危機が迫る様子。そして、ついに、作業員全員退避の検討が始まる。
映像の編集等に係わった朝日新聞の木村英昭さんは次の様に解説する。
国民には何も知らされなかった。東電や国がどういう情報隠しをしたのか。科学技術に翻弄される姿。国民自身が考える重要な素材だ。事故をそれぞれが検証するための映像という。さらに、東電の誰がどういう発言をしたのかが明確になったことが大切。個人個人を特定できることで責任を明らかにすることができる。と指摘する。
画面には取締役の氏名や難解な原発用語などの説明文が加えられており、大変理解しやすい編集になっている。約3時間30分の大作。見ごたえは十分。東電株主訴訟の主任弁護士の河合さんは「こんな人たちに命、財産を預けていたと思うとゾッとする」と感想を語った。
▽予告編
「東電テレビ会議 49時間の記録」
▽アワープラネットTVの公式サイト(”最新情報”に上映予定が掲載されています)
http://www.touden49.net/
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▽自主上映用に貸出を行っています。
http://www.touden49.net/自主上映について/